おひなさまを
飾る意義
おひなさまを飾るひな祭りは、家庭で行う女の子のおまつりです。
赤色の毛氈などで神聖な場所をつくって、女の子を守ってくれるおひなさまを飾り、神様にお供えもの(ひなあられ等)をして願い事をします。
おひなさまを飾る大切な意味は大きく分けて二つあります。
一つは、人形(ひとがた)に災いや病気をもらってもらう身代りになってもらう『御守り』『なでもの』として。※なでもの(撫で物)…祓い(はらい)や祈祷などの時、体を撫でて穢れ(けがれ)や災いを移し、身代りとなる人形(ひとがた)や、形代(かたしろ)
そしてもう一つは『予祝(よしゅく)』です。
日本には古来より予祝という考え方があります。願いを実現させるために将来の成功した姿をあらかじめお祝いしておく事です。
ひな祭りも予祝のひとつ。
これは男女一対のおひなさまの美しく仲睦まじい姿に女の子の幸せな結婚を重ね合わせたものです。女雛は未来のお嬢様、男雛は未来の旦那様として毎年飾り「予め(あらかじめ)お祝い」を繰り返す事で本当に実現するようにお祈りします。
このように「おひなさま」は単なる飾り物ではなく神聖なお人形として存在します。新しい生命には新しいおひなさまを御守りとし、女の子の分身として大切に飾り、一人一人の女の子の幸せを叶えてくれるように周りの人たちのあたたかな思いを形にしたもの。誕生を心から喜び、健やかな成長と将来の幸せを願う、「予祝」すなわち「未来予想図」そのものなのです。
五月人形を
飾る意義
五月人形を飾る端午の節句は、家庭で行う男の子のおまつりです。
緑色の毛氈などで神聖な場所をつくって、男の子を守ってくれる武者人形や鎧兜を飾り、神様にお供えもの(柏餅、チマキ等)をして願い事をします。
五月人形を飾る大切な意味は大きく分けて二つあります。
一つは、鎧兜が“身体を守る”ものとして、災いや病気から大切な子どもを守ってくれるようにという願いを込めた『御守り』『なでもの』として。※なでもの(撫で物)…祓い(はらい)や祈祷などの時、体を撫でて穢れ(けがれ)や災いを移し、身代りとなる人形(ひとがた)や、形代(かたしろ)
もともと鎧や兜を飾ることは、武家社会から生まれた風習で、身の安全を願って神社にお参りするときに、鎧を神様に奉納するしきたりに由来しています。
そしてもう一つは『予祝(よしゅく)』です。
日本には古来より予祝という考え方があります。願いを実現させるために将来の成功した姿を予めお祝いしておく事です。
端午の節句も予祝のひとつ。
強く逞しい立派な姿の象徴である五月人形を飾ることにより、将来の成功を信じ「予め(あらかじめ)お祝い」を繰り返す事で本当に実現するようにお祈りします。
このように「五月人形」は単なる飾り物ではなく神聖なお人形として存在します。新しい生命には新しい五月人形をお一人お一人の御守りとして大切に飾り、男の子の健やかな成長と将来の幸せを願います。すなわち周りの人たちの「愛情のかたち」そのものなのです。
こいのぼりを
飾る意義
端午の節句に、こいのぼりを飾ることは江戸時代から続くならわしです。
生まれた男の子が立派な人になるようにと立身出世を願って飾ります。
よく見ると、こいのぼりの飾りには色々なものが付いています。上から順に見ていくと、キラキラした丸い飾り、車輪のようなもの、鯉の上に泳ぐヒラヒラしたもの、それぞれに意味があるのです。
鯉のぼりを飾る大切な意味は大きく分けて三つあります。
1 神様を招く 2 魔除けをする 3 立身出世を願う
1 こいのぼりの一番上に付ける丸い飾りを「回転球」といいます。回転球を付ける意味は、天の神様に男の子が生まれたことをお知らせして、お守りしてくださるようにスムーズにお招きするための目印なのです。
2 回転球の下に付く「矢車」は風に吹かれてカラカラと音を出すことで魔除けをします。
同様に、五色の「吹流し」の色は陰陽五行説から取り入れられた配色で魔除けを意味します。
3 吹流しの下に「こいのぼり」を泳がせる意味は、子供の立身出世を願います。
鯉は清流以外にも、池や沼でも生息することができる、非常に生命力の強い魚です。鯉が急流をさかのぼり、龍門という滝を登ると龍になって天に昇るという伝説にちなんで(登龍門という言葉の由来)、男の子がどんな試練にも耐え、立派な人になるようにと立身出世を祈るために飾るのです。
このように「こいのぼり」は生まれたばかりの男の子が、丈夫でたくましい男性に成長するようにと願う、周りの人たちのあたたかな思いを形にしたものなのです。